【盛岡市】横葺き屋根の葺き替え工事|「塗装でいいか」と思っていた屋根に、錆の穴が開いていました


今回のお住まいと、屋根の状態
盛岡市のお客様からご相談をいただき、横葺き屋根の点検にお伺いしました。
地上から見上げる限りでは、色が褪せてきた程度に見える屋根でした。ところが実際に登って確認すると、錆が板金を貫通し、穴が開いている箇所が見つかりました。お客様ご自身はまったく気づいておらず、「そんなことになっているとは思わなかった」と驚かれていました。


屋根は毎日目にするものではありません。錆は表面の色が変わる段階を過ぎると、内側からじわじわと板金を削っていきます。穴が開いてから雨漏りとして室内に現れるまでには時間差があり、気づいたときには下地まで傷んでいる、というのがよくある流れです。
「塗装で何とかならないか」というご質問に、私がお答えしていること
屋根の点検の場では、「塗装でもう少し持たせられませんか」というご質問をよくいただきます。費用を抑えたいお気持ちはよく分かります。
ただ、錆が出ている金属屋根については、私はこうお伝えしています。
塗装は、錆を「止める」工事ではありません。表面を塗膜で覆うだけで、板金そのものはすでに錆で薄くなっています。塗膜の下では錆が進み続け、数年で同じ場所からまた浮いてきます。そしてもう一度塗る。この繰り返しです。
塗るたびに費用がかかり、そのあいだにも屋根本体は確実に寿命を縮めています。塗装を何度も重ねた結果、最終的に葺き替えることになったお客様を、私は何軒も見てきました。それなら、最初から屋根そのものを新しくした方が、結果としてお客様の負担は軽くなります。
部分修理と葺き替え、2つのお見積もりをご提示しました
今回は、穴が開いている箇所を直す部分修理案と、屋根全体を新しくする葺き替え案、2パターンのお見積もりをお出ししました。
部分修理は費用を抑えられますが、穴の開いた箇所だけを直しても、同じ年数を経た周囲の板金は同じように錆が進んでいます。今直した隣から、数年後に同じ症状が出る可能性が高いことも、あわせてご説明しました。
お客様が「葺き替え」を選ばれた理由
「何度も工事をするより、一度きちんとやってしまいたい」。お客様はそう判断され、葺き替えをお選びいただきました。
屋根工事は、足場を組むだけでも費用がかかります。部分修理を数回繰り返せば、足場代だけでも大きな金額になります。一度で終わらせることは、金額の面でも、暮らしの安心の面でも、合理的な選択だと私は考えています。
使用した屋根材について
新しい屋根には、横葺きの長尺タイプ「横葺きAT2段(省略タイプ)」を使用しました。
右から左まで継ぎ目のない1本ものの板金で、横幅は8.7メートルです。横葺き屋根で雨水が入りやすいのは板金同士の継ぎ目ですが、1本ものにすることでその継ぎ目そのものをなくしています。長い板金を現場で扱うには手間がかかりますが、雨仕舞いを優先してこの仕様にしました。
色はレッドブラウンの艶消しです。深みのある赤茶で、光を柔らかく受ける艶消し仕上げは、住宅の外壁や周囲の景観にも落ち着いてなじみます。
施工の流れ
ここからは、実際の工事の手順を順番にご紹介します。屋根工事は仕上がってしまうと中が見えなくなりますので、「見えなくなる部分」こそ丁寧に記録しています。
1. 古い屋根材を剥がす
まず、既存の横葺き屋根材をすべて剥がします。古い屋根材を剥がすと、それまで隠れていた雨漏りの跡がはっきりと見えてきます。錆の穴から入った雨水が、下地のどこを通り、どこに溜まっていたのか。ここで屋根の「本当の状態」が分かります。

表面の塗装だけでは、この部分は一切手が届きません。葺き替えだからこそ、傷んだ下地を確認し、必要な手当てをしたうえで新しい屋根を載せることができます。
2. 改質アスファルトルーフィングを張る
下地を整えたあと、防水紙として改質アスファルトルーフィングを張ります。今回使用したのは、田島ルーフィングの「PカラーEX」です。
長年にわたるロングセラーで、全国の屋根職人に選ばれ続けてきた、改質アスファルトルーフィングを代表する防水紙です。屋根材の下で雨水を最後に受け止めるのはこのルーフィングですから、ここには実績のあるものを使います。


3. 新しい屋根材をビスで固定する
ルーフィングの上に、横葺きAT2段を施工していきます。屋根材の固定はすべてビス止めです。455ミリピッチで、下地の垂木に向けてビスを打ち込んでいきます。

釘ではなくビスを使い、野地板だけでなく垂木まで効かせることで、盛岡の積雪や強風にも耐える固定になります。手間はかかりますが、屋根は一度葺いたら何十年もそのまま使うものですので、ここは省きません。
4. ドーマ周りは谷板金でしっかり納める
今回のお住まいにはドーマが付いています。ドーマと屋根面が取り合う部分は、雨水が集まって流れる「谷」になり、屋根の中でも雨漏りのリスクが高い場所です。
ここには谷板金を入れ、横葺き本体と重ねて納めています。屋根本体をどれだけ新しくしても、この取り合いが甘ければ雨は入ります。ドーマのあるお住まいの葺き替えでは、私が最も気を使う箇所のひとつです。
ドーマの谷部分の納まり


5. ケラバの端を25ミリ「起こす」
横葺き屋根の端、ケラバの部分には、ひとつ工夫を加えています。板金の端を25ミリほど、軽く上に起こしているのです。
これは雨水をケラバ側の壁に垂らさないための処理です。起こしがないと、屋根を流れた雨水がケラバから真下にポタポタと落ち続けます。落ちた先に給湯器や温水器があると、その天板を雨粒が叩き続け、「ポツ、ポツ」という音が夜中まで鳴り止まない。そうしたご相談を受けたこともあります。
わずか25ミリですが、この一手間で暮らしの中の小さな不快が消えます。私たちは横葺き屋根のケラバを、必ず起こして納めています。
ケラバの端を25ミリほど起こしている状況

6. 雪止めネットを新しい金具で復旧する
最後に、工事前に取り外しておいた雪止めを復旧します。金具は既存のものを再利用せず、雪止めネット専用の新しい金具に交換しました。
この金具にはネットを引っ掛けるための爪が付いていて、ネットをしっかりと噛ませて固定できます。盛岡の冬を考えれば、雪止めは屋根本体と同じくらい大切な部分です。屋根が新しくなっても金具が古いままでは意味がありませんので、必ず一緒に新しくしています。
雪止めネットを復旧した状況

完成。レッドブラウンの屋根に生まれ変わりました
施工後:全景

施工後:全景

錆で穴の開いていた屋根が、継ぎ目のない一枚仕上げのレッドブラウンの屋根になりました。お客様には「もう屋根のことを心配しなくていい」と喜んでいただきました。
工事の流れと、かかった期間
お見積もりをご確認いただき、ご依頼から工事着工までは約2週間。足場の設置から屋根の解体・新設、足場の解体まで、現場での工事は約1週間で完了しました。お支払いは施工完了後、仕上がりをご確認いただいてからです。
費用の目安
今回の工事費用は130万円程度でした。
屋根の面積や形状、ドーマや雪止めの有無、選ぶ屋根材によって金額は変わりますので、まずは現地を見せていただいたうえで、正確なお見積もりをお出ししています。
「塗装でいいか」と思っている方へ、お伝えしたいこと
屋根の相談で一番多いのが、「まず塗装を考えている」というお話です。ここで一度立ち止まっていただきたいことがあります。
塗装が向いているのは、板金がまだ健全で、表面の保護だけが必要な屋根です。すでに錆が出ている屋根、築年数が経っている屋根に塗装をしても、それは寿命を延ばすのではなく、問題を先送りしているだけです。塗装代は積み重なり、屋根の中身は削れていく。一番損をするのは、そのあいだ何度も費用を払い続けるお客様です。
今回の記事で施工の流れをご覧いただいた通り、屋根の傷みは剥がしてみなければ分かりません。そして剥がした先の下地、防水紙、固定方法、ドーマの谷、ケラバの端。屋根の寿命を決めているのは、こうした表からは見えない部分です。塗装では、そのどこにも手が届きません。
私たちがおすすめしているのは、次の2つです。
ひとつは今回のような葺き替え。古い屋根を撤去し、下地から新しくやり直す工事です。錆が貫通している、下地が傷んでいるという場合は、これが確実です。
もうひとつはカバー工法。既存の屋根の上に防水シートと新しい金属屋根を重ねる工事です。下地がまだ健全であれば、撤去費用を抑えながら屋根を丸ごと新しくできます。
どちらも「塗装を何回も繰り返す」より、長い目で見て費用も安心も上回る選択です。屋根の状態によってどちらが適切かは変わりますので、そこは私たちが現地で判断し、両方の金額を並べてご説明します。
まとめ
今回のお客様は、屋根に穴が開いていることを知らずに暮らしていました。特別なことではなく、多くのお宅で同じことが起きています。
「まだ大丈夫」「塗れば持つ」と思っている屋根こそ、一度きちんと見てみてください。塗装で先送りするか、今のうちに屋根そのものを新しくするか。その判断のために必要な情報は、点検ですべてお伝えします。
点検は無料です。写真をお見せしながら、屋根の今の状態と、選択肢ごとの費用を、その場でご説明いたします。
瀧澤屋根工業について
盛岡市の屋根専門店、瀧澤屋根工業です。瓦・金属・アスファルトシングルなど幅広い屋根材に対応し、葺き替え・カバー工法を中心に、屋根を「塗ってごまかさず、根本から直す」工事を得意としています。屋根のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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