アスファルトシングル オークリッジのメリットとデメリットのまとめ
更新日:2023年3月17日
ここ20年でよく見かけるようになった屋根材と言えば
アスファルトシングルではないでしょうか。



国内でよく普及しているアスファルトシングル
Owens Corning オークリッジ スーパーのメリットとデメリットをまとめてみました。

[[Owens Corning Website http://http://www.owenscorning.jp/]]
屋根葺き職人として現場で施工しているリアルな意見です。
まずはメリットから。
[中見出し]長期にわたる美しさ[/中見出し]
オークリッジは長期で美観を維持してくれます。
表面の石粒はセラミックコーティングされたもので色褪せしにくく
金属をコーティングした対藻性能を持つ石も追加することで
従来品と比較して藻がつきにくくなる効果があります。
美観が長持ちするということは
色の塗り替えメンテナンスがいらないということになります。
30年の長い目で考えたらお得ですね。
2層構造による凹凸と、異なる色調の変化が屋根全体に深い陰影と立体感があります。
7色のカラーバリエーションがお客様の様々なニーズに応えます。
従来からある3タブシングルとは違った立体感です。
私はアメリカに4回行ったことがあるのですが
カリフォルニアの住宅ではアスファルトシングルが主流で
おしゃれな屋根はほとんどアスファルトシングルです。
オークリッジと同じような屋根は何社もあり
GAFやPABCOなど同等品を作っているメーカーはたくさんあります。
日本ではオークリッジだけが流通していますが
先進国のアメリカでは様々なアスファルトシングルがあります。
[中見出し]軽量な屋根材[/中見出し]
オークリッジの重さは12kg/㎡くらい
粘土瓦の重さは40kg/㎡くらい
1/3以下の重さです
100㎡の屋根面積で換算すると
オークリッジは1.2tくらい
粘土瓦は4.0tくらい
この差はかなりありますね。
軽量であれば地震が起きた時でも安心です。
同じ建物に対して同じ揺れの大きさの地震が襲った場合、
建物が軽ければ軽いほど、建物にかかる地震の力を小さくすることができます。
さらに、屋根材が軽ければ、耐震設計に必要な壁の量などが少なくて済み、
その分間取りの自由度が増すことになります。
建物の耐震性は屋根だけで決まるものではありませんが、
軽い屋根材を使用することで建物にかかる力を抑え、
被害軽減につなげることができます。
また、屋根を軽くすると建物全体における屋根の重さの比重が少なくなり、
重い屋根と比較して建物における重心の位置が下がるため
揺れの幅を小さくすることができます。
地震が心配される昨今、重い屋根よりは軽い屋根が需要はあります。
[中見出し]抜群の耐久性[/中見出し]
オークリッジシリーズは従来のアスファルトシングル材とは大きく異なっており
高耐久ファイバーグラスマットを芯材とする2層構造からなっています。
これにより極めて高い耐久性と立体的で独特な意匠性を実現することができました。
アメリカのシングル材製品規格において業界最高の性能を有するものであることを証明しております。
ライフタイムワランティーという長期製品保証(制限付き)が受けられますので安心してご使用になれます。製品は米国規格の各種試験でトップクラスの性能が証明されています。
制限付きの製品保証は減価償却型となっておりますが
30年の保証書を発行することが可能です。
耐久性は間違いないです。
[中見出し]屋根葺き作業の施工性の良さ[/中見出し]
オークリッジは屋根材の中で一番と言っても良いほど施工性が良いです。
まずは一人で施工できる。
オークリッジの1ケースのサイズは1mくらいで重さは27kgくらい
一人で運ぶことが容易で、住宅密集地など狭所でも屋根に荷揚げできます。
また、腰折れ屋根は多面体屋根、R屋根など
様々な屋根形状に対応しやすい屋根材です。
急勾配にドーマ付き、谷あり、寄棟屋根など
複雑な屋根にはもってこいの屋根材だと思います。
そして専用の工具を使わなくても容易に切れます。
市販されている安価なハサミでも切ることができます。
さらに、右からでも左からでも葺き始めることが可能で
本体を余すことなく工事ができます。
他の屋根材は一回切った屋根材はほとんど使うことができず
材料のロス率が高く、材料原価が上がってしまいますが
オークリッジは材料原価のロス率が非常に低い屋根材です。
また、雨天でも施工可能です。
表面の石粒が滑りにくく、雨の日でも工事できます。
屋根職人は働きやすい屋根を好みますので
お客様にもおすすめしやすい屋根材ということになりますね。
[中見出し]雪が落ちにくい屋根材[/中見出し]
オークリッジは表面に施された石粒により
雪が落ちにくいです。
私の経験では9寸勾配で落雪したのは確認していますが
8寸勾配以下では落雪したのは見たことがありません。
3寸勾配や4寸勾配では雪が落ちることはありません。
屋根の下にカーポートがあるなど
絶対に雪を落としたくないときはスノーストップなどを設置しましょう。
表層雪崩など意図としない落雪があるかもしれませんので
絶対雪が落ちないというわけではございません。
太陽光パネルが付いている屋根はパネルから滑り落ちますので
注意が必要です。
積雪地で雪が落ちにくいというのは
メリットです。
ガルバリウム鋼板の横葺き屋根などは
落雪しやすいので雪止めの計画が必ず必要になりますので
屋根工事の金額が高くなってしまうことがあります。
オークリッジなら雪止めを付けなくてよいので
安くなるなんてケースもあります。
次はデメリットを紹介
[大見出し]デメリット[/大見出し]
デメリットはあまり無いと思われますが
よくあるクレームとして
オークリッジ本体に付いている石粒が落ちてしましい
雨樋にたまっていると言われることがありますが
これは施工後半年くらいはどうしてもプレスしきれなかった
石粒は落ちてしまいます。
しばらくすると雨と一緒に少しづつ流れていきますので安心してください。
また、バルコニーの床に石粒が落ちていることもあります。
これもプレスしきれなかった石粒が落ちているだけですので
半年もたてば収まりますので気長に待ってみてください。
石粒が落ちても性能にはまったく影響しませんのでご安心ください。
[中見出し]デメリット スガ漏り[/中見出し]
積雪地では気を付けなければならないのがスガ漏りです。
1m程度の小さな屋根材を重ね合わせて葺きていくオークリッジは
つなぎ部分が多く、つなぎ部分から
スガ漏りして漏水してしまうことがあります。
ですから、積雪地のことを熟知した専門業者に施工を依頼しないと
3年後に後悔することになります。
スガ漏りしないように、下葺き材の施工法や
軒先水切の施工方・棟換気の設置
小屋裏の換気などが重要です。
雪が積もらない関東では大丈夫だと思いますが
積雪地の岩手県ではスガ漏りを考えた施工方法が必要です。
施工方法を守れば安心してオークリッジを使用することができます。
[中見出し]オークリッジのまとめ [/中見出し]
上記のようにオークリッジのメリットとデメリットをまとめてみました。
オークリッジは日本に輸入されるようになってまだ20年程度の屋根材です。
これからさらに増えることは間違いありません。
やはり見た目が圧倒的にすてきですね。
シングルの語源ですが
SHINGLEとはもともと
日本で言う杉板を薄くスライスして何枚も重ねて葺く
こけら葺きのことを意味します。
海外では杉板を切り割ったシングル葺きが今でもあります。
高級屋根として今でも浸透していて
杉の色が肌色のような色調から灰色に変化する様子を
シルバーグレーに変わるなんて言って
それが味になってくるなんて考えもあります。
杉板のシングル葺きは施工スピードが遅い
燃えやすいなどデメリットがありましたので
アスファルト性のシングルの見た目をした屋根材が
出てくるようになりました。
今では北米では約70%の屋根がアスファルトシングル葺きです。
オークリッジだけではありません。
他のメーカーの商品も合わせて70%のシェアがあります。
近い将来日本でもアスファルトシングルのシェアが
全体の50%を超えるなんてこともあるかもしれません。
軽くて色褪せしにくく、雪が落ちない屋根材の一つですが
施工経験知識が少ないと後から修理が必要なんてケースもありますので
必ず専門業者へ工事を依頼しましょう。
岩手県でオークリッジをご検討中の方はぜひ
私たちにお問い合わせください。
必ずお力になれます。
宜しくお願い致します。
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