屋根の「無料点検」が危ないわけ|点検商法の手口と安全な断り方
- Yutaka Takisawa

- 3 日前
- 読了時間: 5分
「お宅の屋根、無料で点検しますよ」。
突然そう言われると、「タダなら、ちょっと見てもらおうかな」と思ってしまいますよね。お金がかからないなら損はない。そんな気持ちは、とても自然なものだと思います。
「お宅の屋根、無料で点検しますよ」。
突然そう言われると、「タダなら、ちょっと見てもらおうかな」と思ってしまいますよね。お金がかからないなら損はない。そんな気持ちは、とても自然なものだと思います。
でも、屋根の世界では、この「無料点検」という言葉に気をつけてほしいんです。点検そのものはタダでも、そのあとに高い工事の話につながることが、とても多いからです。この記事では、なぜ無料点検が危ないのか、点検中によくあること、そして安全な断り方を、屋根職人の立場からやさしくお伝えしますね。読み終わるころには、「無料」という言葉に振り回されなくなりますよ。
そもそも、なぜ「無料」で点検できるの?
考えてみてください。会社が人を動かして、わざわざ屋根に上って点検をする。これには本来、人件費もかかります。それを「タダ」でやるのは、なぜでしょう。
答えはシンプルで、そのあとに工事の契約を取ることが目的だからです。無料点検は、いわば「入り口」なんですね。点検そのものでお金をもらうのではなく、点検をきっかけに「これだけ傷んでいますよ」と伝え、工事につなげる。そういう仕組みになっていることが多いんです。
もちろん、まじめに無料点検をしている良い業者さんもいます。ただ、玄関先で「無料です」と言われただけでは、良い業者か、不安をあおって工事を取りたい業者か、見分けることはできません。だからこそ、「タダだから」と気軽に屋根へ上らせる前に、いったん立ち止まってほしいんです。
点検中に、よくあること
無料点検を受け入れて屋根に上らせると、いくつかのことが起こりやすくなります。
まず多いのが、屋根に上ったあとに「ここが割れている」「浮いている」と次々に指摘されることです。あなたは下にいて確認できないので、言われたことを信じるしかありません。中には、点検と言いながら屋根材を踏んでわざと割ったり、もともと別の家で撮った傷んだ写真を見せたりする、という残念な例もあります。「これがお宅の屋根です」と言われても、それが本当にあなたの家のものか、その場では分からないんですね。
そして点検のあとには、たいてい「このままだと雨漏りします」「今すぐ直したほうがいい」という流れになります。不安になっているところに「今だけ安く」と言われると、つい契約してしまう。これが、昔からある点検商法(てんけんしょうほう)と呼ばれる手口です。やさしい「無料」という言葉で入ってきて、最後は大きな金額の話になる。この形を、頭の片すみに置いておいてくださいね。
「このままだと雨漏りします」は本当?
点検のあとに必ずと言っていいほど出てくるのが、この言葉です。ではこれは、本当なのでしょうか。
正直に言うと、本当のこともあれば、おおげさに言っているだけのこともあります。屋根は確かに、年数がたてば傷みます。でも「傷んでいる」ことと「今すぐ大きな工事が必要」なことは、別の話なんです。少し傷んでいても、まだ何年も問題なく使えることはよくありますし、部分的な手直しで済むことも多いです。
大事なのは、その業者ひとりの言葉だけで「今すぐ全部やらなきゃ」と判断しないことです。本当に雨漏りの危険があるのかどうかは、急がず、別の屋根屋に写真を見てもらえば分かります。おどすように「手遅れになる」と言ってくる相手ほど、いったん落ち着いて確かめる。これが何より大切です。
安全な断り方は「上らせない」が基本
では、無料点検を持ちかけられたら、どう対応すればいいでしょう。コツはたったひとつ、屋根に上らせないことです。
おだやかに、こう言ってください。「気になるところは、自分で知っている業者に見てもらうので、結構です」。理由を細かく説明する必要はありません。「無料なのにもったいないですよ」と言われても、同じ言葉をくり返せば大丈夫です。
一度上らせてしまうと、「ここが割れている」と言われて断りづらい空気ができてしまいます。だから、上らせる前に止めるのがいちばん安全なんですね。もしすでに上られてしまって、写真を見せられて不安になっている場合でも、その場でサインだけは絶対にしないでください。「家族と相談します」と言って、いったん持ち帰る。それだけで、あわてた契約を防げます。
不安なときは、契約の前に第三者へ
「でも、本当に傷んでいたらどうしよう」と思いますよね。その答えは、お医者さんの「セカンドオピニオン」と同じです。ひとつの意見だけで決めず、もうひとつの目で確かめればいいんです。
私たち瀧澤屋根工業では、訪問販売の無料点検で「傷んでいる」と言われて不安になった方からのご相談を、たくさんお受けしています。屋根の写真を見せてもらえれば、「これはまだ急いで直さなくて大丈夫ですよ」「ここだけ手直しすれば十分ですね」といったことを、中立の立場でお伝えできます。工事をむりにすすめることはありません。
「無料」という言葉は、つい心を動かします。でも、タダより気をつけたいものはない、と覚えておいてくださいね。屋根に上らせる前に、いったん立ち止まる。不安なら、契約の前にもうひとつの目で確かめる。これだけで大丈夫ですよ。
そもそも、なぜ「無料」で点検できるの?



コメント