【盛岡市】築40年・廃盤瓦「セキスイかわらS」の雨漏り修理|隅棟の板金カバー工法で解決した施工事例
- Yutaka Takisawa

- 7月7日
- 読了時間: 7分

はじめに
こんにちは。盛岡市の屋根屋、瀧澤屋根工業の瀧澤です。
今回は、盛岡市内の築40年のお宅で行った、瓦屋根の雨漏り修理の施工事例をご紹介します。
屋根材は「セキスイかわらS」。
すでに廃盤になっている瓦で、しかもアスベストを含んでいるため、普通の瓦のように差し替えも加工もできない――修理方法がかなり限られる、なかなか手ごわい屋根材です。
「同じ瓦を使っていて、業者に修理を断られた」という方もいらっしゃると思います。
実際に屋根を作っている職人として、この雨漏りをどうやって止めたのか、順を追ってお伝えします。
▶あわせて読みたい:盛岡市の雨漏り修理について(瀧澤屋根工業の雨漏り対応ページ)


工事概要
・施工場所:岩手県盛岡市
・築年数:築40年
・既存屋根材:セキスイかわらS(廃盤・アスベスト含有)
・屋根勾配:2寸勾配
・工事内容:隅棟(12m)へのガルバリウム鋼板カバー工事
・使用鋼板:日鉄鋼板「セリオスプライム」厚さ0.35mm
・工期:2日間
お客様のお困りごと
ご相談いただいたのは、築40年の瓦屋根からの雨漏りでした。
現場を調査して分かったのは、次の3点です。
・雨漏りの原因は「隅棟(すみむね)」にある
・雨水の浸入箇所は、長さ約12mの隅棟部分
・屋根は2寸勾配。水が流れにくい、かなり緩い屋根
隅棟とは、屋根のてっぺんから四隅に向かって斜めに下りていく棟のことです。
普通の瓦屋根であれば、傷んだ瓦を差し替えたり、棟を積み直したりすれば済む話です。
ところが今回は、そう簡単にはいきませんでした。
セキスイかわらSの厄介なところ
この瓦、何が厄介かというと、大きく2つあります。
【① 廃盤商品なので、差し替えができない】
・セキスイかわらSは、すでに製造・販売が終了した廃盤商品
・メーカーにも市場にも、新品の在庫はほぼ残っていない
・同じ瓦が手に入らないため、傷んだ瓦だけを新品に交換する「差し替え」ができない
セキスイのセメント系屋根材は、有名な「かわらU」も含めて、すでに製造を終えています。
「同じ瓦を1枚だけ取り寄せて交換する」ということが、そもそもできないんです。
【② アスベストを含んでいるので、切ったり割ったりできない】
・築40年ということは、施工されたのは1980年代。当時のセメント系屋根材の多くには、強度を上げるためにアスベスト(石綿)が使われていた
・アスベストは、吸い込むと肺がんや中皮腫などの健康被害につながるおそれのある物質
・日本では1975年以降、規制が段階的に強化され、2006年にはアスベスト含有建材の製造・使用が全面的に禁止された
・現在は法令により、アスベスト含有建材の切断・破砕などをともなう作業は厳しく制限されている
・そのため、瓦を切る・割る・削るといった加工は基本的にできない
ここで一つ補足です。
アスベスト入りの瓦は、切ったり割ったりして繊維を飛散させなければ、屋根に載ったままの状態でただちに危険というわけではありません。
だからこそ今回は、「瓦には一切手を加えず、上から被せて止める」という方法を選んでいます。
「差し替えもできない。加工もできない」。
この二重の制約があるせいで、修理の選択肢がかなり限られてしまうんです。お客様もこの点で大変お困りでした。
ご提案した2つのプラン
そこで私は、既存の瓦には手を付けずに雨漏りを止める方法として、2パターンのお見積りを作りました。
【プランA:雨漏りしている屋根面(1面)のカバー工法】
・雨漏りしている面全体を、新しい屋根材で覆う方法
・広い範囲を一新できるので、安心感が大きい
・その分、費用は大きくなる
【プランB:隅棟(12m)だけの板金カバー】★今回採用
・雨漏りの原因である隅棟にしぼって、板金を被せる方法
・費用をぐっと抑えられる
・雨水の入り口をピンポイントで確実に止められる
お客様とご相談した結果、今回は費用を抑えられるプランB「隅棟の板金カバー工事」に決まりました。工期は2日間です。
※屋根を丸ごと新しくする「カバー工法」や「葺き替え」については、これまでの施工事例一覧でもたくさんご紹介しています。あわせてご覧ください。
工事の流れ
ちなみに、この隅棟への板金カバーのやり方は、マニュアルや既製品があるわけではありません。
現場の状況に合わせて考えた、瀧澤屋根工業の完全オリジナルの工法です。
STEP1 隅棟の役物に木下地を取り付け
まず、隅棟の役物(やくもの:棟部分に使われている専用の瓦)の上に木下地を取り付けます。
・木下地のサイズ:30×90mm
・固定方法:コンクリートビス
・この木下地が、あとから被せる板金の土台になる
アスベスト入りの瓦ですから、瓦を割らないように慎重に、です。

STEP2 面戸をモルタルで埋める
次に、隅棟の面戸(めんど)――棟と屋根面の間にできる隙間ですね――をモルタルでしっかり埋めていきます。
ここを埋めずに空けたままだと…
・板金を被せても、中に雨水が回り込む
・鳥や虫が入り込んで、巣を作る原因になる
仕上がると見えなくなる部分ですが、こういうところを丁寧にやるかどうかで、屋根の持ちは変わってきます。

STEP3 サイドに板金を取り付け
木下地に沿って、隅棟の両サイドにガルバリウム鋼板の板金を取り付けていきます。

STEP4 一番上に、ドーム型に成形した平板を取り付け
最後に、隅棟の一番上側へ、平板をドーム型に成形した板金を被せます。ここがこの工事のポイントです。
・既製品ではなく、一枚の平板を現場の形に合わせてドーム型に成形
・角を立てず丸く納めることで、雨水がスムーズに流れる
・継ぎ目から水が入りにくくなる
今回の屋根は2寸勾配。かなり緩い屋根で、水が流れにくく溜まりやすい屋根です。
緩い勾配の屋根ほど、こうした「水の流れを考えた板金の納まり」が大事になります。

STEP5 清掃して工事完了
最後に、屋根の上とお客様の敷地内をきれいに掃除して、工事完了です。
瓦には一切手を加えずに、雨漏りの入り口をしっかりふさぐことができました。
📷(ここに写真:施工完了後の隅棟)

使用した鋼板について
今回使用したのは、日鉄鋼板株式会社のガルバリウム鋼板「セリオスプライム(SELiOS Prime)」厚さ0.35mmです。
セリオスプライムの特長はこんなところです。
・耐食性の高いガルバリウム鋼板がベース
・メーカー独自開発の「プライム塗膜」を採用した塗装鋼板
・色あせ・サビに強く、雨も雪も多い岩手の屋根と相性がいい
▶メーカー公式サイト:日鉄鋼板「GLカラー/SELiOS Prime」
盛岡市のリフォーム補助金2026について
盛岡市では現在、「リフォーム支援事業2026」という補助制度が実施されています。ポイントは次の3つです。
・対象工事の合計金額が税込33万円以上のリフォーム工事であること
・盛岡市内の施工業者による工事であること
・条件を満たすと、6万円分の電子商品券「MORIO Payプレミアム商品券2026」が支給される
・この補助金には定員(枠)があり、定員に達した時点で受付終了
・今年度の枠は、すでに残りわずか
・申請前に着工した工事は対象外(「工事が終わってから申請」はできない)
盛岡市で屋根リフォームをお考えの方は、補助金を使えるように、できるだけ早めに動くことをおすすめします。申請のご相談も承ります。
▶詳細:盛岡市公式ホームページ「リフォーム支援事業2026」
まとめ ― 「直せない」と言われた瓦でも、方法はあります
・廃盤で差し替えができない
・アスベスト入りで切断・加工もできない
そんなセキスイかわらSの屋根でも、今回のように隅棟だけの板金カバーで、葺き替えをせずに雨漏りを止められるケースがあります。
今回のやり方は、どこかのマニュアルに載っている工法ではありません。屋根の状況を見て、職人として考えた完全オリジナルの方法です。
「この瓦は直せない」「葺き替えしかない」と言われた方も、あきらめる前に一度ご相談ください。
屋根の状態とご予算に合わせたプランをご提案します。
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盛岡市をはじめ岩手県内で、瓦屋根の雨漏り・屋根修理にお困りの方は、瀧澤屋根工業までお気軽にお問い合わせください。
以上、瀧澤屋根工業でした。
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施工エリア:岩手県全域・宮城県・青森県
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